IBMの「Smarter Planet」
更新日:2018.07.28
作成日:2009.03.01
Smarter Planetでは、インターネットの普及で世界が「スモール化」「フラット化」し、さらに世界は「スマート化」しつつある、とみる。スマート化とは、RFIDなどの浸透により人の周囲がデジタル化されていく「機能化」(Instrumented)、ネットワークにより「相互につながる」(Interconnected)、モノやプロセスの「インテリジェント化」(Intelligent)──という、進みつつある「3つのI」として現れる。「これらすべてをつなぎ、ある洞察を導いて新しいビジネスを作り出していく」という。
具体的な事例として、交通、油田、食料生産・流通、医療、送配電網、小売・サービス、水管理、サプライ・チェーン、国家、天気、土地管理、都市という12の分野をあげて、これらの領域におけるスマートな世界を創出することをあげる。 「例えば、交通という領域を見てみると、日本での渋滞は、年間延べ38億時間に達し、1人あたり30時間もの時間的ロスと、12兆円もの経済損失がある。GDPにすると2%相当にあたる規模だ。ストックホルムやロンドン、シンガポールでは、市内に入る際に、一般道路において、日本のETCのようなICチップを利用した課金、あるいはナンバープレートを認識して後に課金するという仕組みを導入しており、これにより交通渋滞を緩和している。世界はますますスマート化する方向に移行している。IBMは、経済環境の低迷という長いトンネルを抜け出たあとに、違う景色が見えてくると考えている。その新たな時代におけるITの使い方を提案していく。これがSmarter Planetである」などと説明した。 そのほか、橋本社長は、北米の小売業では在庫切れによる機会損失が9兆3,000億円に達していること、この100年で世界の人口が3倍に増加する一方で、水の使用量が6倍に増加していること、世界の飢餓人口が9億6,000万人いるのに対して、日本では食料9,000万トンのうち21%を廃棄している実態。医療システムでは電子カルテが稼働していても、エンド・トゥ・エンドの仕組みとなっていないこと、金融市場においては、リスクを分散するシステムがあっても、リスクを追跡するシステムがなく、市場の信用低下や不確実性の拡大につながっている現在の事例をあげ、「こうしたところにIBMが提供するITが威力を発揮する」と語った。
2009年の基本方針
「礎-次代への礎を築く年に」
3つのイニシアティブ
- 「新規ビジネス拡大とパートナーシップ強化」
- 「お客様への価値創造をリード」
- 「自由闊達な企業文化の醸成」
低炭素社会を見据えた日本IBMの今後の取り組み
お客様のために :
- 低炭素時代の経営を支えるIT基盤の提供
- CO2排出量の「見える化」+「削減」を支援
- CO2削減成果の認証を支援
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