コンサルタントの秘密〜コンサルタント業はなぜ大変か?〜
本書から得たいこと
- そもそも、コンサルタントとはどういうことか?
- 問題解決する際に、気をつけるべきことは何か?
- 自分に値段を付けるにはどうするか?
コンサルタント業は、当人の依頼によって、当人に影響を及ぼす仕事である。
コンサルタント業はなぜ大変か?
- 依頼主がどう言おうとも、問題は必ずある
- 一見どう見ようとも、それは常に人の問題である
- 「料金は時間に対して支払われるのであって、解答に対して支払われるのではない」ということを忘れないこと
1. 問題は必ずある
依頼主(マネージャー)は、自分に処理できない問題があることを公表せずに、助けて欲しいという願いがある。自分に処理できない問題があると公表することは、自分が無能であることを認めてしまうことに繋がってしまう。だから、コンサルタントを呼んだとしても、決して問題があるとは言わないことが多い。
問題があるから、コンサルタントは呼ばれているのだから、依頼主がどう言おうとも、「問題は必ずある」のだ。
依頼主が、「問題ではない」と思い込みたいがために、10%よりも多くの改善を約束してはいけない。それ以上、改善することは「問題があった」と周りに知らしめてしまうからである。10%未満の改善であれば人は、「問題なし」の範疇に押し込んでしまい、依頼主としては「問題ではない」と公言している真の問題が解決してハッピーである。
もしも、10%以上の改善をしてしまった場合は、依頼主の手柄にするなど、決して気づかれないようにしなければならない。コンサルタントが10%以上の改善を行った場合、それは「問題があった」と認めざるを得なくなってしまい、依頼主の都合を無視することに繋がってしまう。
よって、コンサルタントは、誰の手柄かに頓着してはいけない。
2.人の問題
人は、「技術的問題」とレッテルを張って、人為的なミスを隠そうとする。しかし、原因を辿って行くと、結局はマネージャー層が何かをしてしまったり、しなかったりすることにたどり着いたりする。結局問題とは、人の問題なのである。
依頼主が何をしていようとも、何かそれとは違うことを薦めなさい。
人の問題は、少なくとも、想像力、見通しの欠如から生じることは間違いない。
問題にあまりにも近い人は、最初にやってうまくいかなかったことをいつまでも繰り返したがる。そもそも、うまくいっていたらコンサルタントなんて呼ばれないため、依頼主がやっていることとは、異なることをやるべきである。
3. 料金は時間に対して支払われる
マネージャー vs コンサルタントの構図は常にある。問題の解答に対してお金を貰うことは、「問題がある」ということを前提として、「コンサルタント」が問題を解いたという状況にならなければならない。
しかし、「1.問題は必ずある」でも述べられていたように、依頼主(マネージャー)は問題があると認めなくはないという背景がある。問題の解答に対してお金を貰うことは、ここに矛盾が生じてしまい、うまくいかなくなってしまう。
よって、依頼主が問題を解いたことにして、コンサルタントは時間に対してお金をもらうのがうまくいくのである。
コンサルタントとは、どこからともなく、ピンチに駆けつけ解決し、そして名乗らずにすっと姿を消していくサムライのようになるべきであって、水戸黄門のように毎度毎度、印籠を見せつけてはいけないのだ。
ラズベリージャムの法則「広げれば広げるほど薄くなる」
皿を洗うという仕事を例に考えた場合に、
自分で皿を洗う場合は、直接作業を行い、綺麗になったことを実感でき、出来栄えに対して満足感を得ることができる。 皿洗いコンサルタントの場合、直接作業を行うことはなく、実際に皿洗いを行う人に対して、アドバイスを行う。自分一人が作業する時間に対して、たくさんの量の皿を洗うことが出来る。
直接的満足度と、間接的影響は、以下のとおり。
- 直接的満足度 皿洗い > 皿洗いコンサルタント
- 間接的影響 皿洗い < 皿洗いコンサルタント
ジャムのように広げれば広げるほど、自分が影響を及ぼすことができる面積は大きくなっていくが、それを行うことによる直接的満足度は、どんどん薄くなっていく。
なんとなく深いなと感じた。自分で、作業をする分には、満足感、達成感を得ることができるが、広げれば広げるほど、自分で作業をすることがなくなるため、作業から得られる満足感、達成感を感じることができなくなる。
このような感覚は、普遍的なものなんだなとなんとなく納得した。
その他印象に残った言葉
- たいていのとき、世界のたいていの部分では、人がどれほどがんばろうとも意味のあることはなにも起こらない。
- 第1番の問題を取り除くと、第2番が昇進する。
- 失敗を容認出来ない人は、コンサルタントとして成功しない。
- 問題が解ける人は、いい暮らしができる。だが、必要に応じて問題を無視できるひとこそ最高の暮らしができる。
- 逆説敵だが、他人を助けようとすることは、まず自分を、しかも依頼主以上に助けることになる。
- 自分の手助けをすることは、他人の手助けをすることよりももっと難しい。誰かの問題を解決する前に、自分のごたごたを整理すること。
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