HHKBをWindows・Mac・iPadで快適に使う方法
複数OS(Windows、macOS、iPadOS)でHappy Hacking Keyboard(以降HHKBと表記)を利用していると、OS間で微妙にキーボード操作が異なることにストレスを覚えることはないでしょうか。
私は昨年(2020年)にHHKBを購入し、複数OSで利用し始めましたが、OS切替時の些細なストレスが気になり始めました。 そこで、HHKBとOSの最適な設定を模索し、今時点の自分にとって最適な設定をまとめてみました。
ちなみに、 【レビュー】HHKB(Happy Hacking Keyboard)ファーストインプレッション で、HHKBを使い始めたときの1週間の所感をまとめています。
前提
- 利用HHKB
- 利用OS
- Windows 10(JIS配列ノートPC)
- macOS Mojave(US配列 MacBook Air)
- iPadOS 14(iPad Pro 11インチ)
US配列のHHKBで複数OSを利用するときの問題点
Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-S
は、Bluetoothで最大4端末までペアリング可能です。
接続切替には、キーボードショートカットFn + Ctrl + [1|2|3|4]
を利用します。
このキーボードショートカットによって、一度ペアリングした端末であれば、瞬時に切替可能です。
「この機能を利用すれば、仕事・プライベート問わず、利用する全てのOSでHHKBを有効活用できる」
そんな万能感に包まれながら、しばらくUS配列のHHKBを、複数OS(Windows、macOS、iPadOS)で利用してみたところ、私の使い方においては次の問題点が見えてきました。
- 同一キーボードで複数OSを利用する場合、脳が今、どのOSを利用しているのかわからなくなる
- 今、どのOSを利用しているのかわからなくなるため、OSごとの異なるキーボードショートカットにストレスを感じる
HHKBという同一キーボードで複数OSを使用すると、脳内でWindowsとmacOSのキーボードショートカットが混ざってしまうのです。
たとえば、Windowsを利用していてmacOSのCtrl + n
でのカーソル移動を使ってしまう。macOSでCtrl + c Ctrl + v
を使ってコピー&ペーストをしてしまうなどがあります。
複数OSを別のキーボードで使用していたときには、入力方式の違いに戸惑ったことはありませんでした。 どうやら、物理キーボードの違いというフィジカルなフィードバックによって、脳(指)が入力方式を切り替えているようです。
OSが変わっても同じキーボードを利用できることが逆に入力を妨げてしまっています。 これでは、せっかくのHHKBの力を発揮できないため、設定を見直しました。
HHKBで実現したいこと
- なるべく少ない設定変更で、違和感なく複数OS(Windows、macOS、iPadOS)を利用する
- macOSで実現している日本語の入力切替(トグルではなく、左・右の⌘キーでON/OFF切替)をWindowsとiPadOSに持ち込む
HHKBの設定と各OSの設定
ポイントは次の点です。
- キーマップ変更ツール で、HHKB「Macモード」のキーバインドを変更し、英字/かな入力を可能とする
- Windows、macOSはHHKB「Winモード」、iPadOSはHHKB「Macモード」を利用する
- Windowsでは AutoHotKey 、macOSでは Karabiner-Elements で、日本語入力ON/OFF切替を設定する
次にそれぞれの設定方法を説明します。
HHKBの設定
HHKB本体の設定です。
- HHKBのDIPスイッチ
- Winモード(SW1: ON/SW2: OFF)
- DeleteをBSへ切り替え(SW3:ON)
- HHKBのキーマップ変更ツールで「Macモード」を次のとおり変更
- 左◇キー:「英数」、右◇キー:「かな」
HHKBには、DIPスイッチと呼ばれる物理スイッチが背面にあり、そのスイッチのON/OFFでキーボードの動作を変更できます。 たとえば、SW1/SW2の組み合わせによって「◇キー」を「Windowsキー」にする「Winモード」や「◇キー」を「⌘(Command)キー」にする「Macモード」などがあります。
詳しくは、 Happy Hacking Keyboard | ダウンロード | PFU のマニュアルをご覧ください。
また、HHKB純正ソフトウェアである キーマップ変更ツール を利用し、キーボード自体のキーマップを変更できます。 iPadOS用にHHKB「Macモード」を次の図のとおり変更します。 この設定によってHHKB「Macモード」に切り替えた際、「左◇キー」は「英数」、「右◇キー」は「かな」として認識され、左右の「◇キー」で日本語入力ON/OFFを実現できます。
Windowsの設定
- HHKB「Winモード」利用
- AutoHotKey
で次のとおりマッピング変更
- 左Windowsキー =>「無変換」
- 右Windowsキー =>「変換」
- 右ALTキー =>「右Win」
- コントロールパネルから次の設定
- JIS配列からUS配列に切替(JIS配列キーボードのノートPCを利用しているため)
- 「Microsoft IMEの詳細設定」で次の設定
- [変換キー]に機能として「IME-オン」、[無変換キー]に「IME-オフ」を割当
- Macの
Ctrl + n
などのカーソル移動は、HHKBの「Fnキー」を組み合わせた矢印で代用
Windowsでは、HHKB「Winモード」を利用します。
AutoHotKey を利用しているのは、日本語切替のON/OFFを「半角/全角」のトグルではなく、左右の変換/無変換キーで切り替えられるようにするためです。 これによって、今自分が「かな入力モード」にいるのか「半角入力モード」にいるのかを意識せずに、日本語と英字の入力切替ができるようになります。
macOSで利用していたCtrl + n
などでのカーソル移動は、HHKBの「Fnキー」を使った矢印キーで代用します。
macOSの設定
- HHKB「Winモード」利用
- キーボード設定で「Controlキー」と「Commandキー」を入れ替え(CommandをControlに、ControlをCommandに変更)
- Karabiner-Elements
で次の設定
- Bluetoothキーボードが有効な場合は、内蔵キーボードは無効化(これにより、 尊師スタイル を可能とする)
- 「左Commandキー」単体押しで、英語切替
- 「右Commandキー」単体押しで、日本語切替
macOSでは、HHKB「Winモード」を利用します。
キーボード設定で「Controlキー」と「Commandキー」を入れ替えているのは、Windowsとキーボード操作をできる限り一致させるためです。 HHKB US配列では、一般的なキーボードにおいて「Caps Lockキー」が配置してあるポジションに、「Controlキー」が配置されています。 そのため、Windowsのショートカットキーで多用される「Controlキー」は左小指で押します。 一方、macOSの場合、Windowsの「Controlキー」に対応するキーボード操作は「Commandキー」になっていることが多く、左親指で押すことになります。 ここに、微妙な違いが発生します。
キーボードのショートカットキーをできる限り統一するため、私はmacOSをWindowsへ合わせる方向に寄せました。
Karabiner-Elements を利用するのは、Windowsで AutoHotKey を利用する理由と同じく、左右「⌘(Command)キー」単一押下での日本語入力ON/OFFを実現するためです。 また、HHKBを 尊師スタイル で利用するときのための設定として、HHKBのBluethooth接続が有効な場合は内蔵キーボードを無効化します。 これによって、MacBook Airの内蔵キーボードの上に直接HHKBを置いて利用しても、HHKBがキーボードに触れて誤入力することはありません。 ただし、若干HHKB本体が内蔵キーボードのどこかのキーに触れているようなので、 キーボードブリッジ のようなオプション品を揃えたいところです。
iPadOSの設定
- HHKB「Macモード」利用
- 設定 > 一般 > キーボード > ハードウェアキーボード > 修飾キー > HHKBを次のとおり変更
- Controlキー =>「Command」
- Commandキー =>「Control」
iPadOSでは、 HHKB「Macモード」 を利用します。 現時点のiPadOSでは、ソフトウェアでキーマップを変更できないため、HHKB本体のキーマップを変更して対応します。
Windowsと操作感を合わせるため、修飾キーの設定画面で次の図の通り、「Controlキー」と「Commandキー」を入れ替えます。
まとめ
今回紹介した設定によって、キーボードの操作感がWindows、macOS、iPadOSで(ほぼ)同一になり、OS間の入力体験を統一できました。 これにより、HHKBの本来持つ快適なタイピングをストレスなく利用できます。
もしも、より良いHHKBの設定があればぜひ教えてください。
次に狙っているのは、 尊師スタイル のための キーボードブリッジ と快適な高さを出すための パームレスト ですね。
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