『超没入: メールやチャットに邪魔されない、働き方の正解』でチャットのあり方を見直す
なぜ読みたいか
まずは、ポッドキャスト「ブックカタリスト」で本書の内容を聞いたのがキッカケだった。そしてその時、ちょうどチーム作業におけるメールやチャットツールにのあり方などを考えていて、何か参考になることを見つけたいという思いで読み始めた。
BC042『超没入 メールやチャットに邪魔されない、働き方の正解』 - by 倉下忠憲@rashita2
著者のカル・ニューポート氏は、 『大事なことに集中する―――気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法』 や 『デジタル・ミニマリスト スマホに依存しない生き方』 などを書いている。 どちらも参考になった本だという記憶があったので、今回も期待をもっていた。
学んだこと
メールをチャットツールに置き換えたとしても意味がないと気付いた
メールよりもチャットの方がレスポンスよくやり取りでき、ファイル共有もスムーズにできるのに、何で使わないのか。 せっかく社内にチャットツールが導入されているのに、なんでみんな使わないのだろうと不満を抱えていた。 本書を読むまでは、もっと積極的にチャットツールを推進していく方がよいのではないかと考えていた。
しかし、その考え方は新たな問題を生むだけで、根本的にはなんの解決にもなっていないことに気付いた。
変えるべきは「ワークフロー」であり、ともに働く人々の「マインドセット」である。
この2つが変わらない限り、どのようなコミュニケーションツールを利用したとしても、同じ問題が発生すると考えを改めた。
仕事のワークフローや生産性をテーマにした論文は実はたくさん存在する
本書では、主張を支えるさまざまな書籍や論文がベースになっている。 働き方について考えたことはあったものの、関連する論文に当ってみるという動きをいままでしてこなかったのは反省である。
特定のプロジェクトを複数人で実行する仕事をやってお金をもらうプロフェッショナルとして、それらの論文に目を通さないのはよくない。過去の知見を活かさないのは、もったいない。
そのように感じた。
ナレッジワークの2つの構成要素「業務の遂行」と「ワークフロー」
本書では、ナレッジのワークの2つ構成要素として「業務の遂行」「ワークフロー」は切り分けて考えるべきだという主張があり、なるほどと感じた。
- 「業務の遂行」は、ナレッジワークが主体性を持って取り組むべき内容
- 「ワークフロー」は、ナレッジワーカーだけに設計をゆだねるべきではない
特に、「ワークフロー」までナレッジワーカーが設計するのではないよ。 ルール(プロトコル)を設定することで、ナレッジワーカーを制限するのではなく、むしろ生産性を上げることに繋がるのだよという点において、理解が深まった。
学びをどう活かすか
個人レベル
- 定期的なメールチェックに自覚的になる
- コンテキスト・スイッチを避けるため次の工夫をする
- ディープ・ワークとシャロー・ワークの比率を予め決めておく
- PCやスマートフォンのDo not Disturbeの機能を利用して通知を切る
組織レベル
- タスクボード(カンバン)を小さく始める
- 朝と昼に少しだけ話をするようにして、メールでの相談を減らす
参考
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2019.06.14