音弄り欲の数だけ掛けぐるう「ままよ」と見切り世に出す覚悟

Cakewalk by BandLabを開いたとき「ミックスに完成はない。見切りをつけるだけだ」という深い言葉をいただいた。ミックス(音楽編集)の経験はさほどないものの、ミックスと短歌はともに音を編集するものだと捉えてみる。素材そのままを活かすときもあれば、並べ替えたり、そこにないものを加えたりすることもある。「ああしたい」「こうしたい」という欲が多ければ多いほど、組み合わせが爆発し、何が正しいのかわからなくなっていく。「賭ケグルイ」じゃないけど、音や言葉に意味を掛ける行為に迷い狂う「掛けぐるい」。終わりなき工程に終わりをもたらすのは、有限化装置としての「締切」もしくは自分自身の「享楽的こだわり」によって中断するしかない。

音いじりに完成はない。見切りをつけるだけだ。

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