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なぜ鉄鋼業界は再編が進むのか?

更新日:2018.07.01 作成日:2010.05.26

とあるきっかけで、調べることになった。なぜ再編が進むのか。どうやらその原因は、次の2点にありそうだった。

  1. 中国需要の急増
  2. 資源会社の寡占化

そもそものきっかけは、今朝の日経新聞の記事だった。その記事とは、次のものである。

「中国で大型鉄鋼再編」 【北京=多部田俊輔】中国鉄鋼4位で世界6位の鞍本鋼鉄集団(遼寧省)が中国中堅2社と経営統合する。2009年の粗鋼生産量は4500万トン規模となり、世界最大手のアルセロール・ミタル(ルクセンブルク)に次ぐ世界2位に躍り出る。粗鋼生産量で新日本製鉄を6割以上上回る鉄鋼会社が中国に3社できることになり、中国勢は世界資源大手との原料価格交渉での発言力向上を狙う。

中国で再編が進むのは、次の理由からだと述べられている。

「資源会社に比べ鉄鋼会社の数は多すぎる。合従連衡を進めて大規模メーカーをつくりだし、対外的な発言力を高めていきたい」。中国の経済政策のかじ取りをする国家発展改革委員会幹部は説明する。中国には鉄鋼メーカーが約500社乱立しており、中国政府は年産5000万トン級の大手6〜7社をつくり出す構想だ。経営統合を契機に温暖化ガスの排出量が多い旧型設備を廃棄して新鋭設備の建設を認める方針を示し、メーカー間の合従連衡を促している。

なるほど、中国では鉄鋼会社の数が多すぎて、一つ一つの発言力が弱いのか。じゃあ、日本でもたびたび再編の話が出てくるのはなぜだろう?日本の鉄鋼会社は、中国とは違ってそこまで多くないのではないか?ここで最初に出した再編の原因を詳しくみてみよう。

1.中国需要の急増

 原料価格高騰の最大の要因は、中国需要の急増による需給の逼迫だ。昨年、中国の原料炭輸入は前年比5倍の3450万トンに拡大。世界の鉄鉱石輸入量9億トンのうち6億トン超を占めており、需給逼迫に拍車がかかっている。 -原料コスト1兆円の大幅増 資源会社に屈する鉄鋼業界|inside Enterprise|ダイヤモンド・オンライン

需要が増えたことにより、原料の価格が高騰しているとのこと。しかし、鉄鋼会社は、原材料高を鉄鋼価格に転嫁できない。なぜなら、鉄鋼価格を上昇させて、自動車や電機の内需を減少させてはいけないからと述べていた。

2.資源会社の寡占化

日本における鉄鉱石のシェアは、英豪系のBHPビリトンとリオ・ティント、ブラジル のヴァーレの3社で約9割、高品質の原料炭ではBHPとリオ・ティントの2社で7割。さらにBHPとリオ・ティントは生産部門の統合を計画している。圧倒的なシェアを背景にした価格交渉力には歯が立たない。 原料コスト1兆円の大幅増 資源会社に屈する鉄鋼業界|inside Enterprise|ダイヤモンド・オンライン

資源会社の力が強まって、値段をつり上げてきている。しかし、資源会社は、鉄鋼会社よりも規模が大きく、影響力が強いため、価格交渉が難しい。また、同じ記事に「4半期契約」というキーワードもあった。 この4半期契約とは、原料用石炭(原料炭)価格決定に関しての取り決めである。以前は、年間を通じた安定供給をするために年間契約で決めてきたが、ついに、影響力が増した資源会社の要求をのまざるをえなくなったそうだ。 自分はこの2つの理由にプラスして、「温室効果ガスの削減要請」という外からの働きも原因の一つではないだろうかと考える。1社だけで、削減に向けた技術革新を行うよりも、合併、共同出資により開発した方がお互いの会社のためになると考える。 なぜ再編が進むのか。その原因は、

  1. 中国需要の急増
  2. 資源会社の寡占化
  3. 温室効果ガスの削減要請

の3つにありそうだ。

参考

原料コスト1兆円の大幅増 資源会社に屈する鉄鋼業界

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